2023-01-01から1年間の記事一覧

口腔外科+歯科

舌表しか診ていなかった口腔外科の研修医が舌裏の炎症に気付いた。随分、驚いて何度も写真を撮った。 「これ、最初からありました?」 「はい、ありましたよ。最初の方が痛かったけど…」 歯に当たっていた部分に水疱が出来て破れてしまったらしい。そこが歯…

もう頑張らなくていいのだよ

ある日お寿司を頬張ると唇にあたった。3回くらいこんなことがあるとゾッとしてしまった。口を開けているつもりなのに開いていないのだった。何だろう?とネットで調べると顎関節症と判明。そのうちテレビ番組でコロナ禍に顎関節症になる人が多いからと口を開…

銀座で起きたふたつの出来事

私は何度か銀座で働いていたことがある。 ある日、帰り道に歩道を歩いていると横断歩道を渡り終えた男の人が歩道につくや否やガシャンと音をたてた。私の目前でそれは起きたので一部始終を私は見ていた。彼は嬉しそうにお酒の箱を抱えていた。あまりに嬉しく…

冠婚葬祭の舞台裏

冠婚葬祭ほど宗教がもの言う(?)時はない。結婚式では仏式も神道もキリスト教もお構いなく受け入れられて衣装だけ両方共の人もいる。しかし葬儀だけは流石にミックスはない。もう30年程前だが初めてキリスト教の葬儀に参列する事になった。高齢の女性はクリ…

身内と他人の境界線

ある青年が母親から「身内と他人を区別しなさい!」と言われて考えた。しかし考えれば考えるほど線引き出来ないと悩んで相談した。どこからが他人ですか?と訊いた。辿っていくと確かにどこまで従姉妹や従兄弟、孫ひ孫、とキリがなかっただろう。そこで私は…

泉谷しげる大先生

友達に泉谷しげる氏の大ファンがいて「泉谷しげる大先生」と呼んでいた。彼女は私に泉谷しげるのLPレコードをプレゼントしてくれた。春夏秋冬はもちろん大好きだったが、もう1曲私の好きな曲がある。『老人革命の唄』だ。私はこの歌に元気を貰っていた。時…

立つ鳥跡を濁さず

私の姉は43歳に乳癌とわかって3年後に逝った。癌とわかる7年くらい前から体調は良くないのがわかったのに、せっせと家のローンを残さないよう支払いを終えて逝った。なぜ、そこまでする必要があるだろうか家族みんなの家なのにと、そのときは思った。後で姉…

B.C.とA.D.

高校2年の時、新しく世界史の教師が赴任してきて初めての授業だった。紀元前と紀元後から始まり先生は大きい声で「ここから世界はまっぷたつに分かれてる」と言うと黒板をまっぷたつに切るような勢いで白いチョークで真っ直ぐに縦線を引いた。こっちはB.C.で…

リアルで怖い独居老人の夢

昨日、夢を見た。いつもは「なんか夢見たなぁ」くらいしか覚えていないのにリアルで怖い夢だったので目覚めても怖さが残っていた。 90才過ぎくらいのガタイのいい男子独居老人が広めの一軒家に住んでいた。私は初めての訪問らしい。老人はあまり気乗りしない…

小さな冤罪(1)

中学生の時、1人の男の子が授業中も休み時間も凄い目で私を睨みつけていた。理由がわからないので本人に聞きたいのだが近寄ると更にスゴい形相になり威嚇された。その男の子の友達であろう別の男の子達に訊いていって、ようやく原因究明に辿り着けた。何かで…

平歩

数十年も前にコンサルにいた時、中国人の陳さんという人がいた。休憩室でのことだった。子供が産まれて「平歩」という名前をつけたんだと静かだが嬉しそうに言った。「ふ〜ん、平凡な名前ね。」と言うと陳さんは言った。「昔、中国で水の上を歩く人がいてね……

心のともしび

8、9才の頃、カムカムエブリデイのように私も時間が来ると決まってラジオにしがみついて聴いていた番組があった。「福音ルーテルアワー心のともしび」であった。音楽が鳴ると『暗いと不平を言うよりもすすんで灯りをつけましょう』と毎回同じメッセージが流…

当たり前ということ

小学生4年生の国語の時間に先生が「ここのとこで何かわからないことがあるか?」ときいた。誰もが黙っていると「お前はどうだ?」と私は名指しで訊かれた。それならと少し気になっていたことをぼそっと言った。それは「当たり前のことだとあるけど当たり前っ…

「さつまいも」と「からいも」

さつまいもをさつまいもと呼ぶのは鹿児島県民以外の人である。鹿児島県民はさつまいものことを「からいも」と云う。唐から伝わってきた芋だから「唐芋」なのだ。鹿児島県民以外の人はさつまいもと云う。薩摩から伝わってきたから「薩摩芋」なのだ。唐芋は薩…

星の数

私が中学生の頃は庭に出て夜空を見上げると満天の星だった。隙間なく散りばめられた星屑の中に星座をきちんと探すのが難しいほどだったのだ。いつしか見える星は減っていき、夜空に見えるのは二つほどだ。二つしか見えない、長いことそう思っていた。けれど…

喪失したら

「愛する人が死んだなら奉仕の気持ちになりなさい」と言ったのは中原中也だ。9月末に施設入所中だった母親が救急搬送された。その入院を母の妹の叔母に伝えようと電話したら叔母の代わりにご主人が電話に出て「うちは2、3日前に亡くなったよ」と言われた。「…

絵本のイエスと出会う

小学生低学年の頃に学校の図書館で「イエス・キリストと12使徒」という絵本を読みました。「わたしについてきなさい。あなたを人間をとる漁師にしよう」と言われて弟子となってイエスについて行く場面と「わたしがあなたがたにサイフを持たせなかったとき、…

5分診療に思う

コロナ禍で医療費は嵩み医療従事者は減少し尚且つ日本国民も減少に歯止めがかからない。かつて精神病院という言葉のイメージは重く、社会的偏見により精神科の敷居は非常に高いものだった。それらはハートクリニックという横文字と駅近などのこじんまりした…

はじめまして

今まで、ひたすら読者であった私が意を決してブログを始めてみた。いつも楽しみに読ませて頂いていたお気に入りブログがしばらく途絶えてしまったからだ。彼女の影響で、はてなブログを知って始めることになったのだ。何気ない日常の話なのに、いつも元気を…